進化するワンダーランド
面積83,600平方キロ 人口404万人
(うち首長国人は10パーセント)  
一人当たりGDP 19,691ドル(日本は36,187ドル)
アラブ首長国

昼は隠れて… 熱風のアブダビ 
その年、私はアラビア語の勉強のため7月下旬からの1ヶ月を灼熱と熱風のアブダビで過ごした。暑いの大好き、湿気だって日本で慣れてるからアブダビも大した事ないだろう、な〜んて甘かった。暑さはともかく、真っ向勝負で照りつける太陽に閉口。日焼けはお肌の大敵、ってわけで、午後1時にレッスンが終わってからは滞在先のビーチロターナ・ホテル隣接のアブダビ・モールで夕方までじっと隠れてる毎日だった。

暑くて屋外の娯楽が限られた湾岸では 別に買物しなくても毎日の生活に巨大ショッピングモールが欠かせないのを実感。またモールは社交の場であり、男女の出会いのチャンスの宝庫でもあるけど、この話はまた別の機会にね。


よく歩いたコルニーシュ

夜中のウォーキング 
アブダビ滞在中、私はほぼ毎晩コルニーシュなどにウォーキングに出かけていた。ホテルから片道約30分。夜間はさすがに熱風も控えめで、静かな海沿いの道を歩くのは何とも気持よかった。夜の10時半過ぎに人もまばらな(車は絶えず走っている)通りを女性一人で歩くなんて日本じゃかなり勇気のいる事だけど(小心者なので…)治安が抜群にいいアブダビでは全く問題なしって感じ。コルニーシュの一角ではそんな遅い時刻にもかかわらず「さ〜 今からバーベキュー開始」とハイになってる現地の人やインド人達のグループをよく見かけた。みんな何時に寝てるのかな?

ホテルへの立入禁止?! 
治安のいいアブダビで逆に怪しげに見られたのは私の方? ある夜、私はピンクのポロシャツとジーンズ、赤いスニーカーでいつものように颯爽とウォーキングに出かけ、そしていつものようにどろどろの大汗かいてビーチロターナ・ホテルに戻って来た。すると! セキュリティーが すーっと寄って来て部屋の鍵を見せろと言う。「何かあったの?」と聞きながら鍵を見せると、彼は私の質問に答えず 頷いただけで立ち去って行った。

いったん部屋に戻ったものの「不審者チェックとはいえ、あの命令口調と威圧的態度は エグゼクティブ・フロアに1ヶ月近くも滞在しているお客に対してあんまりなんじゃなーい?」と怒髪天を突く(?)状態になった私。ロビーに舞い戻って先程の大男の胸ぐらを掴んで(やりたかったなぁ。実際にはやってませんよ、もちろん)「私のこと不審人物と疑ってたの?」抗議。その後ホテルのマネージャーが平謝りしに来たんで私は振り上げたこぶし(?)をおさめ… 確かに東洋人女性の宿泊客は全く見なかったし 私もウォーキングの後で汗まみれだったけど、よれよれの格好でロビー歩いてる西洋人もたくさんいたのに〜 後で現地の友人に聞くと一部のアジアの女性達がホテルでこっそり行う"商売"が近年アブダビ大問題になっているんだとか。もっとも私の場合は汗まみれの怪しげな東洋人って思われたのかも?


アラビア書道を習ったチュニジア人の先生
アブダビモスク
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スキー・ドバイ

見物人多し

手前に
スノー・パーク

黒字が2008年の料金表

各種レッスンあり

誕生日会も可
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もしアラブにあまり興味無い人に旅を勧めるとしたら 私は迷わずアラブ首長国(UAE)、特にドバイに送り出したい。嬉しい事に私の周りでも最近はドバイ・ファンが増えつつある。治安はいいし、物価も安いし(最近また巨大ショッピングモールが完成)、ホテルもエステもレストランも充実しているし、砂漠もあればビーチ・リゾートもある。早くから観光に力を入れて来たドバイは イスラムの香りと湾岸諸国随一の都会的雰囲気がうまく調和し、女の子同士でもカップルでもストレス無く歩ける街だと思う。

一方で現地の人々は至って保守的で、欧米女性がタンクトップ姿で買物する横をアバヤに身を包んだ女性達が通り過ぎて行く。夜、カフェに行けば座っているのはカンドーラを着た男性ばかり。映画館も男性だけのグループかファミリーがほとんどで「現地女性はどこにいるの?」って感じ。いい大人になっても親の目を盗んでこっそりとデートしてるし、結婚にも親の意向がかなり反映される。

首長国の人口400万人の大部分は外国人で自国民は10パーセント足らず、つまり40万人。社会が小さいほど人間は近所の目=世間体を気にするから、彼らが保守的なのもわかる気がする。ドバイが"自由"なんて外国人だけ」と友人が漏らした事がある。気の毒だけど、私はそんな首長国の人々の"変わらない"(変われない)ところが大好き。

洒落たデザインの
香水ボトル
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南国のスキー
2008年11月4日、世界的金融危機で消費冷え込みが心配される中、サッカー場50面の敷地を誇る世界最大級のショッピングセンター・ドバイモールがオープンした。ここができるまでドバイのホットな屋内スポットと言えばモール・オブ・エミレィツだった。そこに行ったと湾岸諸国の人達に話すとかなりの確率で「あなたもスキーした?」と聞かれる。"とても暑い"、"暑い"、"生暖かい"しか存在しない土地にスキー場なんて、さすが巨大ワンダーランドのドバイ、何でもあり。

2005年暮のオープン当初は湾岸諸国の友人達から リフトに満面の笑顔で座っている厚着のアラブ人男性など、ネットで出回ってるらしき同一シーンの写真がよく送られて来た。長期休暇の度にヨーロッパやアジアに出かけるリッチなアブダビの友人も既に2度滑りに行ったらしく「面白いよ〜」と。総面積22500平米(サッカー場3面分)、1500人収容可能な屋内スキー場"スキー・ドバイ"は予想より小さく見えたけど、同時に予想より賑わっていた。もっともガラス越しに眺めている見物人の方が圧倒的に多くてゲレンデ上の人は見世物状態だったような… 

最大高低差85メートル(25階の高さに相当)、最長400メートルの滑走路を含めて5つのコースがあるのと 子供が滑り台なんかで遊べる3000平米の世界最大のスノー・パークがここのウリ。300ディラハム(約8000円)の1日パスならスキー服と道具一式(使い捨て靴下やスノーボードも)がセットになっているので手ぶらで利用でき、週末は夜中の0時まで開いている。初心者対象の60分‐90分のレッスンもあり(写真のパンフレット参照。黒字が2008年11月現在の料金)、最大10人のグループレッスンなら150ディラハム(約4000円)、個人授業だと595ディラハム(16000円)。各種料金は2007年版パンフレット記載時より10%‐40%も値上がりしていて、最近のドバイの激しいインフレを反映している。"クール・パーティ"と称した誕生日プランも。「ドバイからオリンピックのスキー選手が出る日も近い?」とオープン直後に湾岸の友人たちと冗談で話してたけど、2年後のバンクーバー冬季五輪、どうでしょう?
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お母さんが一番
私の首長国滞在中、日本から来た友人が2人合流し、ドバイの友人の豪邸に遊びに行った。話には聞いてたけど、ドアを開けても開けても次々と登場する大広間に私達はキャーキャー叫び続けた。かくれんぼしたら探し出すのに3日くらいかかりそう。車庫には車数台、ボートやミニ動物園まである広い庭。東南アジア出身のメイドさん3人が広い台所で楽しそうに料理の下ごしらえをしている。大理石の豪華な階段を上がると各自(5人兄弟)の個室、もちろん専用のバスルーム付き。中でも圧巻はお母様の部屋で子供部屋の4倍くらい広く、豪華なシャンデリアが掛けてある。ヨーロッパ調のベッドと家具、一家のお宝を収めた業務用のような巨大金庫、そして奥にはスポーツ器具が… これだけ並べてもダンスできそうなくらいまだ広い。子供達の部屋より広くて豪華な個室を持っている日本のお母さん達がいったい何人いるかな?
睨みをきかせる
ドバイのネコ

御殿で晩餐会 
さて、その晩餐会ならぬ夕食は優雅なヨーロピアンスタイルのダイニングルームその1(ダイニングルームその2もある。さすが豪邸…)で始まった。映画に出て来るハイソな食事シーンのように大きく長いテーブルで、端の人同士が話すにはマイクが必要かも… :D ケチを嫌うアラブ人、その夜のご馳走はまさに晩餐会並み。品数だけじゃなく、量も半端じゃない。食事の後は床に座って寛げる応接室その1(応接室その2その3もあるからね〜)でフルーツとデザートでフィニッシュ。首長国滞在中行ったどこのレストランよりも豪華で美味しい食事だった。

第三世代
シャルジャのプリンスに会った事がある。2004年に逝去したザーイド前大統領を首長国建国第一世代、ドバイのマクトゥーム家出身で首長国全体の首相のシーク・モハメド(1949年生まれ)を第二世代と称するなら このシャルジャの20代の王子は第三世代。握手した手は女性のように滑らかで話し方も表情も穏やかそのもの。第一・第二世代の"野武士"的雰囲気が全く無く、カンドーラを着てなければイギリスのプリンスみたい、と思った。素敵でハンサムな紳士だったけど、私はやっぱり首長国の人々独特の粗削りで野武士的なところが好き〜
 ところで亡くなったザーイド前大統領は名君として首長国の発展に大変貢献し、アブダビに住む私の友人も「彼を尊敬している」と胸を張って言っていた。実際にアブダビに滞在して私が感心した事の一つは、木々を愛するザーイド前大統領が都市の緑化に力を注いでいた事。あの過酷な気候で緑を育てるのには大変な労力とお金がかかるけど、アブダビの街路樹はスクスク伸び、空から見ても道を走っていてもこの国の豊かさがあらためて実感できる。


隙間からマルハバ
庶民の足・アブラで
向こう岸に渡る
人々と…
アブラの上で
爆睡する人
モールで宣伝中の
トヨタのレクサス
ドバイの砂漠にできるバワディ・プロジェクト アブダビのサーディヤト島の大規模開発

近未来ビルのショールーム 
今、湾岸諸国は競って近未来の街を造ろうとしていて、現在そのレースで一歩リードしているのがドバイ。写真左は1000億ディラハム(約272億米ドル)かけて砂漠の真ん中の10キロの直線に35のホテル(29200室)、1500のレストラン、100の劇場、それにショッピングモールなどを作ろうというバワディ・プロジェクトのモデルで、2006年5月に正式に発表された。目玉は6500室という世界最大のホテルAsiaAsiaで、2010年に完成予定だとか。現在年間600万人が観光で訪れるドバイ、ますます"観光力"がパワーアップしそう。

一方のアブダビは海岸から500メートルのところに浮かぶサーディヤト島(幸福の島)の大規模開発計画を2006年4月に正式発表。写真右の27平方キロのスペースに1000億ディラハムを費やして新しいコミュニティを2018年までに完成させる予定。アブダビには現在年間100万人強が訪れているが、2015年には300万人以上の観光客を呼びたいそうで、今後10年間で首都に100のホテル(17000室)を新設する計画だとか。近未来ビルのショールーム競争は暫く続きそう。
エアライン
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初優勝のご褒美は 
2007年1月、湾岸諸国6ヶ国が参加したサッカーのGulf Cupで 主催国・UAEが地元民6万人(外国人を含めた総人口400万人)の大観衆の前でオマーンを1−0で破り初優勝、祝賀のお祭り騒ぎが何日間も続いた。そして選手達へのご褒美のケタが違う。先ずシーク・ハリーファ大統領から全員に一人当り50万ディラハム(約1640万円)のボーナス、続いて首相兼ドバイ首長のシーク・ムハンマドから全員に一軒家、更にシーク・ムハンマド夫人から全員にメッカ巡礼のプレゼント。

他にもシャルジャ首長から800万ディラハム(約2億6200万円)、ラスアルハイマの皇太子から400万ディラハム(約1億3100万円)、不動産会社から100万ディラハム(約3300万円)がそれぞれチームに寄付された。友人の話では他にもたくさんのお金持ちや会社から寄付やご褒美が多く寄せられたらしい。ワールドカップで優勝したチームでもここまでの待遇ってそう無いのでは? 私、生まれ変わったらUAEでサッカー選手になりたい!

Gulf Cup優勝!
(2007年1月30日AFP)
約2億6200万円寄付したシャルジャ首長(2007年2月 Al-Ittihad紙)

Burj Al Arabホテルのカフェからパチリ 実はここ撮影禁止