スーツケースの怪しいビデオ
シリア人の喋り方は語尾が伸びて可愛らしい。アラブの娯楽世界ではエジプト映画と並んでシリアとクウェートのTVドラマも大人気。美人女優揃いでストーリーに共感が持てるから私もシリアのホームドラマは大好き。最近はDVDの時代になったので止めたけど、以前はアラブを訪れる度に新品のビデオテープを20本くらいスーツケースに入れて滞在中片っ端から現地のテレビを録画、帰国後もアラブの"ライブ"を再現していた。
ダマスカス空港到着後、私のスーツケースを調べていた税関のお兄さんは 大量のビデオを見て怪しい映像でも入っているかと疑ったのか「ちょっと待って」とテープを1本持って小部屋に消えて行った。新品だから何も録画してませんよ〜 ようやく戻って来たお兄さんに「アラビア語の勉強の為にシリアのテレビ番組を録画するんです」と言うと、彼は嬉しそうに「どうぞ、もういいです。楽しいステイを」と送り出してくれた。。
貸切映画館
シリアの友人によれば、最近はエジプトのドラマを見飽きた湾岸諸国から資金が流れている為、シリアテレビの番組制作は近年ますますパワーアップしてるそうだ。湾岸の人達の好みを反映するのか「ちょっとチェックしてないと次々と新しい美人女優がテレビに出て来るのよ、名前も覚えられない」と彼女は笑う。
一方、映画はあまりふるわない。そう言えば去年映画祭で来日したシリアの女優兼監督のワーハさんも国家予算がとても少なくてシリア国産映画は年に1〜2本がやっとだと嘆いていた。またシリアでは映画館=不良のたまり場というイメージがあるそうで、ダマスカス出身の私の友人は生まれてからたった2度しか足を運んだ事ないし、しかも親に内緒だったって。そのうち1本は日本短編映画祭のちゃんとした文部省お墨付き作品で観客は彼女を入れて4人(うち2人は勤務明けで爆睡してる兵士)、まさに貸切状態…。
大皿と技師求む
日本で普通売られてるビデオデッキでヨーロッパやアラブ圏のビデオは映らないけど、私が以前香港で買ったビデオ一体型テレビはワールドワイド・マルチで(さすが国際都市香港)PALでもNTSCでも何でも再生OK。便利でしょ? ところで日本でもArabsatを衛星受信する手段があるらしく、在京のあるアラブ大使を訪ねた際には執務室でドバイTVがリアルタイムで放映されてた。いいなぁ。受信方法の詳しい裏技を紹介した日本語サイトを読んでみたものの、特殊なサテライトディッシュも方角も技術もウチでは実現不可能そう…
いつか来た道
パルミラは紀元前1世紀から東西交易の要衝として繁栄しながらも272年にローマに陥落したオアシス都市。ダマスカスから230キロの田舎道を車で進むと、壮大な遺跡が忽然とシリア砂漠に現れ圧倒される。そのパルミラを歩いてハッとした。子供の頃読んだアラブの王子様の絵本に出て来た風景が目の前に広がっていたから… 物語は全く覚えてないけど、カラフルな服を着た王子様が家来を従えて お姫様が待つ山を登って行く様子を描いた絵はとても印象に残っていた。ちょっと寂しい感じの灰色の小高い山は まさに私が心の隅に持ち続けて来たお姫様の山だった。
ノラちゃんのお見送り
ダマスカスではたくさんのネコと挨拶を交わしたけど、まさか一国の首都空港の出国審査場を抜けた制限区域内でノラ猫ちゃんを見つけるとは… 鷹揚なシリア人、もう何でもあり? ジャカルタの空港で航空会社のチェックインカウンターの後ろを走り抜けて行ったネコも見たけど、シリアのネコの方がもっと”空港通”みたい。彼女(オスだったりして)の白い体は少々汚れてたものの、カメラを見つめる瞳の可愛らしさったら…
頭にパンを載せて
2006年、久しぶりにダマスカスを訪ねた。泊めてもらった友人の家は市の中心から離れたパレスチナ・キャンプという地区にあり、今はアパート街だけど、きっと数十年前は文字通りキャンプ地のような様相だったのでは、と思う。早朝ベランダから身を乗り出すと向かいの家のおじさんと挨拶を交わしたり、お使いなのか、焼きたてのアラブパンを何枚も頭に重ねて家路を急ぐ子供達が見えたりして、アジアの田舎に通じるようなホッとする雰囲気を味わえた。ここではスーパーマーケットやスークなんて無く、お菓子は駄菓子屋さん、お肉は肉屋さん、調味料はスパイス屋さん、と小さな埃っぽいお店が「ずっと昔からこうでした」という顔をして路面に軒を並べている。いいなぁ、この素朴さ。
聞こえて来るメッセージ
それでもパレスチナ人地区のせいか、通りを歩いているとやたらアラファトのポスターやイラストを目にする。中学校らしき敷地の塀には民族ダンス公演のポスターとパレスチナ人の殉教者のらしき青年の写真やレバノン・ヒズボラのHassan
Nasrallah師からの民衆へのメッセージや以前暗殺されたパレスチナ人・ヤシン師の写真等が混在して貼られていて反イスラエルの風潮を実感。
交通事故とは
ダマスカスの運転手達のハンドル捌きは素晴らしい! 衝突すれすれで追い越し、交わし、全力疾走する。よく事故にならないなぁ、と初めは感心していたけど、どうやら少々ぶつかったくらいでは事故とみなされず、何事も無かったかのようにやり過ごすらしい。もちろん警察も来なければ修理に出す事もない。だから車体がへこんだ車が多いのね、納得〜
チーズ、缶詰、オリーブ、ヨーグルト、さぁ、どれにする? | メイドイン・シリアのお菓子。"和風味"の表記に平安貴族のお人形が描いてあるけど、建物は中国の物なのでは? | 青いキャミソール25リラ(60円)、茶色のブラウス250リラ(600円)? 単位が一ケタ省略してある? | オジサンが修理してるオーブン、年季入ってますね〜 | 巨大なシャワルマ発見!これで何人分? |
この卵、ビニール袋の包装で大丈夫かな? それにしてもたくさん入ってますね |
アラブパンのお店。
子供もお手伝い |
今日のダマスカスのトップニュースは何? |
シリアでもファデル・シャケル(私も好き!)などレバノン人歌手が人気
|
この人が帽子の上に載せているのは水タバコのパイプ。女性のお人形さん付パイプもあった気が… |
コーヒー豆、ではなく水タバコの葉っぱ |